Unknown Space
Episode-1 Unfinished Dream
エピソード1:見果てぬ夢

Chapter-03


Brains room


100歳を越えて体力の限界を悟った私は,自らの肉体に別れを告げた。
私の 《脳》 にある記憶や人格などの情報をデジタル化し,特別製の 《最新型ウルトラ高性能ハイパー電脳システム》 のメモリーに組み込んだのだ。
必要に応じて様々なセンサーを接続すれば,生身の肉体と同様に五感を味わうことも可能なのだ。
なお,このシステムは建設中の宇宙船基地の地下深くに造られた頑強な部屋に設置された。たとえ外部からの電力供給が遮断されても,独立したパワーユニットがあるため安全だ。

部屋はShadeでモデリングしてBryceにインポートしました。生命維持システムはBryceの基本オブジェクトを組み合わせて造りました。Bryceでレンダリングして仕上げました。
なお,このシステムのデザインが 「ポケモン」 のモンスターボールにそっくり!という貴重な御指摘をいただきましたが,言われてみてびっくり。ほんとにそっくり…(冷汗)。
でも,いちおう私の頭の中で考えてできたオリジナルです。
簡単にモデリングできて,光る目のようなものを入れたいなあっていってるうちに,こんなデザインになってしまいました。


(2001/03/28)


Mobile body


私の頭脳が宿るブレイン・ルームには,もう一つ重要な機能が与えられている。
それは,私が現実の3次元空間において,自由に行動するための外部端末となる 《モバイル・ボディ》 を生み出すことだ。
モバイル・ボディは最新の有機ロボット工学を駆使し,生身の人間と全く同じ機能を与えることが可能で,医療現場での活用が期待されている技術だ。
私の場合は,脳そのものはブレイン・ルームから外に出ることはない。デジタル化してメモリーに記憶されている脳の情報(記憶・人格など)を,モバイル・ボディの人工頭脳にダウンロードして機能させるのだ。
この段階で,ブレイン・ルームの脳は 《マスター・ブレイン》,モバイル・ボディの脳は 《モバイル・ブレイン》 と区別される。ただしモバイル・ボディが活動している間は,ブレイン・ルームはスリープモードに入り,脳の活動は休止する。
必要に応じてモバイル・ブレインがブレイン・ルームにアクセスし,新しい情報をマスター・ブレインにアップロードするのだ。

部屋や生命維持システムはShadeでモデリング。生成中のモバイル・ボディはPoserです。Bryceにインポートしてレンダリングしました。


(2001/03/29)


Memory of summer


2070年の夏。
私(モバイル・ボディ)は来たるべき宇宙探査の旅に備え,異星海洋探査用小型潜水艇の航行テストを行った。
空中に浮かんでいるのは,反重力エンジン搭載の小型探査艇:クローフィッシュの試作モデルだ。
別の開発スタッフが飛行テストを行っているところだ。
遠くに見えているのは完成間近の七宝山宇宙船基地だ。基地の内部では,すでに宇宙船の建造が始まっている。現時点ではワープ・エンジンの基礎研究と試作の段階だ。
モバイル・ボディといっても,その感覚は生身の人間とほとんど変わりない。私は,子供の頃に海水浴をして慣れ親しんだ瀬戸内海の心地よい感触を味わった。
ああ…あの頃…あんなことして遊んだなあ…懐かしさに心癒される私だった。
「オレは生きているぞっ!」
モバイル・ボディであっても,新しい命を実感し,そう叫ばずにはいられない私だった。

ちなみに,この場面の右の方の浜辺には 《寛永通宝》 の文字を型どった巨大な砂絵があります。
「銭形平次」 という時代劇TV番組のタイトルバックでも紹介されていた名所です。
UFOの秘密基地という噂も…(笑)。


(2001/03/31)

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