Unknown Space
Episode-1 Unfinished Dream
エピソード1:見果てぬ夢

Chapter-01


2001


時は2001年。
場所は四国の田舎町。
私の名はT.MORI。
すでにオヤジと化していたが,少年時代からの憧れだった宇宙への夢を捨てきれず,パソコンを使って宇宙モノのCGを描くことに生きがいを見出しているのだった。
妄想の世界にトリップしている私を見て,家族や職場の同僚たちは…。
「………」。
どう思われようと,宇宙への熱い思いは高まるばかりであった。
そんなある日,いつものようにパソコンでCGを描いてると,いきなりディスプレイが閃光を放ち,中から光る球体が飛び出してきた。
そして,そこに現れたのは謎の男。
なんとなく自分に似ているような気もするが…。
「コラ!ちまちまと何をやっとんじゃ!CGなんかで満足しとらんと,ほんまもんの宇宙船を造って宇宙に行ったらええやんか。今からええもん送ってやるから,それ見て頑張れよ。さらばだ。」
な…何だったんだ…。
しばし茫然自失。
疲れのせいで幻覚を見たに違いない…。気を取り直して再びパソコンに向かう私。
しかし,次の瞬間,私のパソコンにどこかから謎のメールが送られてきた。「ウイルスちゃうやろな?」と恐る恐る開いてみると,なんと宇宙船の設計図が…。

パソコンや机などのオブジェクトは,すべてShadeを使ってモデリングしました。
この作品を制作した2001年当時の部屋をリアルに再現しています。現実の部屋はもっと雑然としていますが…(笑)。
人物はPoserフィギュアです。ランニングシャツとトランクス1枚というファッションは本人と同じです(笑)。
すべてのオブジェクトをBryceにインポートしてレンダリングしました。


(2001/03/04)


Determination


次の日,私はいつものように仕事に出かけた。
そして,いつもより早く帰宅すると,静かな口調で家族に言った。「実はな…。今日,辞表を出してきた。明日から七宝山に宇宙船の基地を造ることにした。」
それを聞いた妻や子供たちは目が点になり,「な…何をアホなことを…。これからどうやって食べていくのよっ!」「わ〜ん」(子供の泣く声)
私は黙って家の外に出た。
裏山を眺め,これから始まる壮大なプロジェクトへの決意を固めるのだった…。
かつて,ゴーギャンという偉大なる画家がいた。
ゴーギャンは証券会社に勤務するサラリーマンだったが,ある日突然,会社を辞めて画家の道に進む。彼は絵画の世界に心の楽園を求めたのだ。画家としての人生は苦難に満ちたものとなったが,南海の楽園タヒチで描いた作品の数々は,今でも多くの人に感動を与えてくれる。
静かに山を見つめる私の心は,楽園を求めて仕事を辞めたゴーギャンと同じく熱く燃えているのだった。


※建設予定地の実景写真

山はBryceの地形エディタにPhotoshopで手書きした等高線のグレースケールを読み込んで作成しました。実際の地形を再現しています。
Poserで作った人物をBryceにインポートしてレンダリングしました。
手前の草っ原については写真を合成したものです。


(2001/03/11)


Construction-2020


あれから20年…。って20年間も何をやっとったんや!なんて言わないように。
パソコンから現れた謎の男は,その後さまざまな技術情報を送信してきた。それらは現代の科学では不可能と思えるような,未知のテクノロジーのデータばかりだった。
宇宙船の設計図の中には,反重力エンジンの設計図やワープ航法理論なども含まれていた。
しかし,今の私にとっては《猫に小判》あるいは 《豚に真珠》 あるいは 《馬の耳に念仏》 あるいは…もうええっちゅうねん。という状態だった。協力者が必要だ…。
私は自分のWebサイト 「UnknownSpace」 を通して世界中の人々に呼びかた。「一緒に宇宙に行こう!」と…。
やがて,何人かの物好き…いや,志の高い人が集まってきた。
仲間づくりの次は,資金の調達だ。そのために会社を設立した。未来のテクノロジーを用いた商品を開発し,それを販売して利益を得ようというわけだ。
いきなり反重力やワープ航法というのは無茶なので,日常生活で使える便利グッズを次々と売り出した。おかげで,私の会社は大繁盛!ビル・ゲイツも真っ青ってな莫大な資金を手にすることができたのだ。
そんなことをやっているうちに20年という月日が流れ…。ようやく土地の買収が完了し,建設工事が始まった。

山のオブジェクトを2つ重ね,それぞれに異なるマテリアルの設定をしています。上側の山の一部に穴をあけ,岩盤が露出しているように見せています。
ダンプカーはShade用の3Dデータ集 《車の森》 のオブジェクトを利用しています。その他の工事現場グッズについてはShadeでモデリングしました。すべてのオブジェクトをBryceにインポートしてレンダリングしました。


(2001/03/22)

Next
Chapter-02

Gallery
Home